弁護士コラム

法人や個人事業主の方の債務整理手続のご相談もお受けしています

 皆さんは、弁護士会の法律相談所をクレジット・サラ金事件の専門相談所だと思っていませんか。お金に困ると、クレジットのキャッシングやサラ金からの借入をする方が多いでしょう。しかし、最近の相談で、クレジットやサラ金からの借入が1件もない方の相談を受けました。

 

 おひとりは、信用保証協会や債権回収会社から督促が来て困っているとの相談でした。生活雑貨品の製造販売をしていらした方で、かつては中国にも工場を作って営業していたが、中国工場は処分し、借入残金の合計は1億円を超えるとのことでした。高利の金融業者やサラ金・クレジットには手を出さず、3年前くらいに自宅兼工場の不動産を処分して、買掛金を全額支払い、税務上の廃業届出を出したようです。会社の財産はなく、個人に督促が来るので、個人の破産手続をしてほしいとのことでした。

 よく伺ってみると、商業登記上会社は存続しているが、会社の事務所がないので連帯保証人の社長さんに請求がなされているケースです。このような場合、会社の実態はなくとも法律上は会社が存在して借金を負っているので、会社の破産手続申立もする必要があります。

 このような会社でも、気が付かない債権者がいたり、未回収の売掛金や資産が残っている可能性がありますので、東京地裁ではその調査のために破産管財事件とする運用をしています。ただ、このケースでは会社の実態がないので破産管財人が過去の決算書を調べる程度で、第1回の債権者集会で終了が見込まれます。

 ここで、皆さんの関心は、費用のことだと思いますが、会社破産の場合、裁判所の予納金として最低20万円が必要となります。ただ、この費用は分割払いも可能であり、社長さん個人と併せて申立をすれば、社長さん個人との2件分合計で20万円の予納金で済みます。

 また、こちらの弁護士会の法律相談センターでは、弁護士が、会社と社長さんの2件の破産事件を受任する場合に、弁護士費用の割引の制度もあります。詳しくは、法律相談センターにお問い合わせください。

 

 もうおひとりは、個人営業で、都内で印刷業を営んでおられる方で、銀行と信用金庫から合計約3800万円を借り入れており、メインバンクの信用金庫の支払いができないとの相談でした。クレジット・サラ金からの借入はなく、コツコツと仕事に励んでおられていましたが、業界自体が縮小傾向にあり、取引先からの委託がなくなったのが支払不能の原因でした。

 ご本人は現在仕掛中の仕事もあり、仕事の継続をご希望でしたが、自宅マンションの住宅ローンや賃借中の仕事場の賃料も滞りがちとのことでしたので、破産申立をお勧めしました。

 ご本人は熟考のうえ業務の継続を断念され、弁護士に破産申立を委任しました。弁護士は、銀行等債権者に受任通知を発送して、債権者の督促を停止させるとともに、自宅マンションに任意売却のご指導をしたり、賃借中の仕事場建物の明渡しを家主と直接交渉したりしました。

 

 このように、弁護士が破産申立を受任する場合、破産申立の書類作成だけにとどまらず、ご本人の生活の指導や、破産申立に必要な範囲でのそのための体制作りを行います。弁護士にご自分の現状を率直に説明して、ご相談ください。

 なお、中小企業金融円滑化法が本年3月で終了します。中小企業の事業者方々で、貸付条件の変更等を受けていらっしゃる方も、お気軽に弁護士会の法律相談センターにご相談ください。


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